1on1スタートガイド第1回(全5回):1on1そのものについて話してみる
会社から「1on1を習慣的にやってください」と言われたとき、こんなことを思う方もいるのではないでしょうか。
・普段やってる進捗確認や業務相談と何が違うの?
・違うのであれば何を話せばいいの?
1on1スタートガイドでは、全5回にわたって上記のような疑問を解消するためのヒントをお届けします。
初回のテーマは、「1on1そのものについて話してみる」です。
■ お勧めしたい会話
はじめて1on1をする相手と、まずは次のようなことを交換してみてはどうでしょうか。
1on1という取り組みに感じている
・ポジティブに思っていることや気持ち
・ネガティブに思っていることや気持ち
お互いの思っていることや気持ちを共有した後、雰囲気に余裕があれば、感想や共感できたことも重ねて交換してみてください。さらに余裕があれば、お互いのコメントに対して質問しあってもいいかもしれません。
注意点:1on1の時間すべてをこの会話で使い切る必要はありません。例えば、目標達成やタスク消化状況を確認する時間も必要あれば設けましょう。
■ お勧めする背景
「1on1」という言葉に持つ印象は、人によって思いのほか異なるものです。
業務確認に時間を使いたいマネージャーと雑談を通じて関係を築きたいメンバーとの会話では、マネージャーから醸し出される緊張感に、メンバーは「これは誰のための時間なのだろう?」と思ってしまうかもしれません。
未経験タスクについての相談をしたいメンバーと自律的な人材にメンバーを育てたいマネージャーとの会話では、ライトに質問を重ねてくるメンバーに対して、マネージャーは「なんでもっと自分で考えないんだ」と思ってしまうかもしれません。
少々極端な例ではありますが、それぞれの会話の意図が間違っているわけではないのに関わらず、その意図が共有されないまま会話がすれ違うことで、1on1アレルギーのようなものが生み出されてしまうのではないでしょうか。
■ 他の選択肢
会話の意図が異なることによる弊害は、他の選択肢でも解消することができます。例えば人事部門や上長から1on1の目的やアジェンダ(議題)を指定してしまうというやり方です。
これも一つの正解ですが、マネージャーとメンバーとのペアごとの状況によっては、解消に繋がらないこともありそうです。明確な目的に対して話し始めるには関係性が未熟な場合などです。
■ 会話の狙い
初めてのペアで1on1に臨む際に「あれ何話せばいいんだっけ…?」と少しでも思ったなら、ぜひ今回の会話を試してみてください。
形式的な事柄を一旦傍に置いて、お互いが内的に思っていることや気持ちを表明し合うことが、長期的には高いパフォーマンスに繋がるはずです。