1on1スタートガイド第4回(全5回):少し視野を広げてみる
第4回のテーマは、「少し視野を広げてみる」です。
毎回お互いが自分のことを話し続けるのは、少し窮屈に感じることもあります。
毎回同じテーマでも会話のスキルが上がることで有意義さや新鮮さを保つことはできますが、
マンネリ化が先に訪れてしまってはいけません。
今回は、会話に多様さを加えて、視野を広げるきっかけをつくりましょう。
■ お勧めしたい会話
今回は、自分たちから少し離れて、周囲のチームメンバーについて会話してみましょう。
同じ目標を目指しているチームメンバーについて
・チームメンバーの強みや得意としていること
・チームメンバーに感謝していること
・チームメンバーが困っていそうなこと
お互いが共有した後、雰囲気に余裕があれば、感想や共感できたことも重ねて交換してみてください。
さらに余裕があれば、お互いのコメントに対して質問しあってもいいかもしれません。
注意点:1on1の時間すべてをこの会話で使い切る必要はありません。例えば、目標達成やタスク消化状況を確認する時間も必要あれば設けましょう。
■ お勧めする背景
1on1を導入する際の考え方のひとつとして、「メンバー個人を支援する機会をつくる」ということがあります。しばしながらその言葉尻だけを捉えて、あるメンバーの内面だけやマネージャーとメンバーの関係性のみにフォーカスしていては、思考が狭くなってしまうことがあります。
今日の職場環境では、独力で完結できる仕事というものは驚くほど少なくなってきています。アイデア、意思決定、実行、評価/振り返りなどさまざまな場面で協調が必要です。
その中で、マネージャーにとってメンバー間の関係性が見えないことは、自チームのパフォーマンスを落とすことになりかねませんし、メンバーにとって周囲の仲間について思考が行き届かないことは、独りよがりの仕事に繋がり、結果として自分を苦しめてしまいます。
■ 会話の狙い
チームメンバーについて会話をしてみることで、次のようなことがペア各々の中で浮かんでくると良さそうです。
マネージャー視点では
・AさんはBさんのことをよく見てるから、次は二人でチームを組んでもらおう
・Cさんはこんなことで困っていたのか、しばらく観察してみて声をかけてみよう
・近い立場の人から見ると、Dさんにはこんな強みがあるのか。今後取り組みたいことを聞いてみよう
メンバー視点では
・改めて思い返してみると、チームメンバーはすごくいい仕事してるんだな。今度直接伝えてみよう
・Bさんは困ってそうだったけど、自分が前に経験した業務だから、まずは話を聞いてみよう
・自分が率先してアイデアを出す役割を担えれば、チームメンバーとうまく補完関係を築けそうだ