1on1スタートガイド第2回(全5回):一緒に振り返りをしてみる
今回のテーマは、「一緒に振り返りをしてみる」です。
OKRでお互いの目標やその進捗が見えるとしても、それについてどう思っているかであったり、
お互いの解釈の違いについて共有し合う機会はなかなかないのではないでしょうか。
進捗率や実行したことなどの事実と同じくらい、「思っていること」や「感じたこと」を交換し合うことは大切です。
■ お勧めしたい会話
OKRの最新の進捗率や、実行したことをお互いで確認した後に、次のような会話をしてみてください。メンバーからだけではなく、マネージャーからも共有してみるのもいいでしょう。
ここ最近の仕事について
・うまくいったこと/続けたいこと、嬉しかったこと
・うまくいかなかったこと/改善したいこと、不満だったこと
お互いが共有した後、雰囲気に余裕があれば、感想や共感できたことも重ねて交換してみてくださいさらに余裕があれば、お互いのコメントに対して質問しあってもいいかもしれません。
注意点:1on1の時間すべてをこの会話で使い切る必要はありません。例えば、目標達成やタスク消化状況を確認する時間も必要あれば設けましょう。
■ お勧めする背景
初回テーマの背景と似ていますが、前回が「1on1」という場そのものについての認識を合わせるのに対して、第2回では、仕事についての価値観や求める質についての違いを明らかにします。
業務を遂行していく中で、マネージャーはメンバーに対して「次はもっとうまくやれそうだ」「あの行動はよかった」というポジティブな期待などを抱くこともあれば、「優先順位が違っている」「あそこは改善して欲しい」という率直なフィードバックをしたいこともあると思います。
思い立ったらすぐにそれらを1on1で伝えてみることも良いですが、グッと堪えてお勧めの会話に集中してみるという選択肢も持ってはいかがでしょうか。
メンバーからすると、別のことに手応えを感じていたり、自分なりの優先順位で別のタスクに注力していたり、たくさん改善したいことの中からどれを選択するかを迷っていたりするかもしれません。
■ 他の選択肢
すでに実施されているような、いわゆる進捗会議も、メンバーが思っていることを知る機会になるかもしれません。しかしながら、この種の会議では、進捗を妨げる具体的な障害を取り除いたり、次のアクションを決めることが主眼となりがちなため、「一緒に振り返る」という目的からは逸脱してしまいます。
■ 会話の狙い
進捗させるための課題解決に飛びつくのではなく、現状の結果や仕事についての解釈を共有する機会も持ってみてください。お互いの仕事の価値観や、どの程度の質を目指しているかなどを理解することで、ある事実に同じ判断をできるようになったり、率直にフィードバックできるようになっていくはずです。