1on1スタートガイド第3回(全5回):曖昧なことを言語化してみる
1on1スタートガイド、折り返しを過ぎて第3回です。過去2回の1on1で、二人での会話に慣れてきたでしょうか?
今回のテーマは、「曖昧なことを言語化してみる」です。
日常の業務の中では、どうしても発言の明確さやシンプルさが求められます。
しかしながら、本当に共有されるべき情報は、曖昧ですぐには言語化が難しいものもあります。
■ お勧めしたい会話
具体的な業務やタスクの話からではなく、次のような会話から入ってみましょう。今回も、メンバーからだけではなく、マネージャーからも共有してみるのもいいでしょう。
・ここ最近の自分の状態を表現する天気や天気の変化(晴れ、雨から曇りになった等)
・その天気を選んだ理由や変化の理由
お互いが共有した後、雰囲気に余裕があれば、感想や共感できたことも重ねて交換してみてください。さらに余裕があれば、お互いのコメントに対して質問しあってもいいかもしれません。
注意点:1on1の時間すべてをこの会話で使い切る必要はありません。例えば、目標達成やタスク消化状況を確認する時間も必要あれば設けましょう。
■ お勧めする背景
今まで経験のない業務や、少し背伸びをした目標を追いかけている場合、うまくいっているいないに関わらず、その理由が分からないということがままあります。
例えば、うまくいっていないことは理解しているが、それがなぜなのか分からない。なぜうまくいかないのだろう?と直線的に考えても妥当な情報がなかなか出てきません。そうすると、本当の課題が特定されないまま、解決に動いてしまうということが起こります。
うまくいかない理由を考える前に、状況を正確に言語化することが必要になります。
自分の状況を天気で表現することが、起きていることを客観的に認識するための手助けをしてくれるでしょう。
■ 会話の狙い
今の状況を天気であったり分かりやすい事柄に置き換える手法は、コーチングやセラピーなどの対人支援で活用されます。
これにより、うまくいっていないことの中にポジティブなことを見つけ出したり、状況をより良くするための小さいステップを考え出しやすくなります。前回のテーマが、振り返りのための会話でしたが、今回のテーマは振り返りの質を高める効果があるとも言えそうです。
具体的には、以下のような会話ができると良いです。
メンバーは、「曇り」だと回答した場合
・前回は晴れだったと思うけど、曇りだと感じた理由を教えてもらえないかな?
・曇りということは嵐でも雨でもないということだけど、状況がそこまで悪くないというポジティブな理由はあるかな?
・曇りから少し晴れ間が出てくるのに必要なことはなんだろう?そのために試してみたいこと、サポートが必要なことは何だろう?
天気に置き換えることがしっくり来ない場合は、数値(0~10)など別のものさしに変えることも可能です。自分たちにあったものを探してみてください。